Enśe atelier

ボストンバッグと2WAYトート

2017/06/29

Ense atelier

Enseの始まりから、支え続けてくれていたキップレザーが無くなることが決定し、
無くなってしまうんだという寂しい気持ちと、今までありがとうという感謝の気持ち、

いろんな気持ちが込み上げて来てしまいましたので、

この場を借りて、バッグや素材の思い出を書き綴っていこうと思います。

 

今から6~7年前、まだ「Ense」という名前もなかった頃、
いつかオリジナルのブランドを立ち上げようと夢見ながら、
男二人、私の自宅の作業場で、ただひたすらにバッグを作り続けておりました。

 

オリジナルでバッグを作っていく上で常に付きまとう問題は、素材との出会いです。
何か月も色んな材料屋さんを回ったりしていても、なかなかコレだというものが見つからず、
どうしようかと相談した結果、

「いっそのこと自分たちのオリジナルの革を作ろう!だってオリジナルブランドやし。」
という答えに行きつきました。

今思えば無謀な考えですが、発想型のY氏と慎重型のわたくしM、そこは何故か意見が合いました。

 

いざ革を作ろうと思ったものの、なんの伝手も無い我々。でしたが、

“革と言えば姫路”という安易な思考と行動力だけで、そのまま姫路へ向かい、
何を思ったのか、名前だけ知っていた日本で最大規模のタンナー(革工場)へとアポなしで侵入したのでした。

 

門前払いを食らうのかと思いきや、

突然アポなしで訪問した私たちを快く受け入れて下さり、

そして運良く、今でもお世話になっている担当者の方とお話することができ、
ありがたいことに、日本最小規模のバッグブランド(予定)である私達の熱意と思いを汲み取っていただき、
Enseのオリジナルレザーの一つ、キップレザーが出来上がる事となったのです。

依頼してから1か月、

出来上がった革が届いた瞬間は、“感動” ただその一言に尽きました。

 

Enseの初作品ボストンバッグ。
自分たちの方向性を探しながら、日々バッグの試作を繰り返していたとき、
一度自分なりのバッグを作らせて欲しいとY氏にわがままを言って、
1週間くらいこもって作らせてもらった、思い出のバッグです。
やっと出来たときは嬉しくて、Y氏のバイト先にバッグを見せに行ったのを覚えています。
(お互いお金がなくて、アルバイトをして生活していました。。)

 

縦についたハンドル、サイドのベルトの通し方で形が変わるデザイン。
丸みを帯びたシルエットは、荷物を入れると縦に伸びて、印象が変わります。
少しづつ二人で改良を重ねたこのカタチ、
とにかく、ありそうで無かったものを作るという想いが具現化できたような気がいたしました。

ブランドスタートと同時にお店をつくって(これまた無謀)、はじめてお客様からご注文頂いたのもこのボストン、
Enseにとっても原点となるバッグです。

 

 

そして、こちらもEnseスタートから愛されている2Wayトートバッグ。
このバッグにも使っているキップレザーは、
その名の通り、キップ=成牛になる前の仔牛の革、なので、とても小さい革なのです。

一般的にバッグを作るときは、無駄をなるべく減らすように、パーツを小さく小分けしてデザインに組み込みます。
例にもれず、私たちもオリジナルで作った革を無駄なく使うべく、当初はそうしようかな。。と思っていました。

でも、せっかくオリジナルで作ってもらった革は、ホントに良い素材。。
「セコいこと言わずに、大胆に行こう!」とY氏。
おぉ、、それを聞いて私もテンションが上がりました、、。

 

素材の良さを前面に、出来るだけシンプルに、
ザ・BAGと言わんばかりのド直球なトートバッグは、こうして誕生したのです。
ナナメ掛けした時と、手で持った時、使い方によって変わるシルエット、
シンプルだからこそ、使う人それぞれに違う表情を見せてくれるカタチ。
使っているお客様が、時々お店に見せに来て下さると、
皆さまホントに愛情たっぷりお使いくださっているのが伝わってきます。

書いているうちにどんどん湧き上がってくる思い出。。
今日は、ここまでにしておきます。

 

メンバーそれぞれ違った思いを持っているので、
またブログで綴っていこうと思います。

 

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