Enśe atelier
Enseの素材
2021/06/06

皆さまこんばんは
本日は、Enseの物作りで欠かせない、素材のお話しです。こういう話しもあまりしてこなかった
ような気がします。
物作りをする上で、私達が非常に重要としているのが、素材です。上質な素材をどうデザインに
落とし込むか?毎回そこがテーマになっています。同じデザインでも素材によって輝き方が
全然違って見えるのです。
そこがピタッと合った時の快感がたまらないと言った所でしょうか?そんな事は稀にしか
ない事で、大体、企画初期段階でいつも迷ってしまいます。
何故ならばと言うとEnseの革作りは、すでに市場に出回っている革を買うのではなくて
革そのものからタンナーと言う、バカでかい工場で、素材の指定、色の指定、質感の指定
仕上げ加工の指定と、自分達に合った革作りから手掛けています。
しかも珍しい鞣し技法でやっているものですから、普通よりも時間がかかってしまいます。
具体的にはピット鞣しと言いまして、10mくらいの深さのプールに革を、一か月くらい
浸しておいて、植物のミモザの渋を使っての長時間鞣しをしています。
上の写真がピット槽ですが、多分、日本でも一カ所かそこらだと思うのですが、何せ手間が
かかります。
そしてようやく、バッグやお財布になる革の完成です。そこからデザインを考える訳です。
この素材を活かすには、とブランドが始まった時から、基本このスタイルでやっています。
非常に非効率なやり方ですが、素材作りからサンプル完成まで、考え抜くので出来上がった
時は、良いと思われる物が誕生しています。
革は兵庫県の姫路市で、洋服に使う生地は昨年初めてこちらも兵庫県の西脇市で播州織で有名
な産地でこの2つの場所でオリジナルの革や生地を依頼しています。
本日は革が中心のお話しでしたが、次は生地作りの旅のお話し
それでは。
Ense designer