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革と雨
2015/06/05

今回は久しぶりのウンチクテーマです。
6月に入り、梅雨の季節がやってまいりました。
革にとっては大敵とされている「雨」
そんな雨と革との過ごし方について書いてみようと思います。
そもそも、革は水に濡れるとどうなるのでしょうか?
革は水に濡れるとシミになったり、水ぶくれができたり、変形したりします。
場合によってはカチカチになって使えなくなるなんてことも。。
ですが、雨の多いこれからの季節、対処法を知っておけば、
雨の日でも上手に革製品とお付き合いできるはずです。
雨ジミ
お使いの革製品に雨や水がかかってしまって一番困るのが、雨ジミです。
最近では防水のレザーもあるようで、あまり気にしなくて使える革製品も出てきていますが
Enseで使用している革は、お化粧なしの「素上げ」と呼ばれる状態です。
ですので雨や水をダイレクトに吸収します。。
3年使用のトートバッグL。黒はシミが目立ちにくい。
それでは雨に濡れてしまった場合の対処法です。
①雨に濡れてしまったら・・・?
できれば乾いたタオルで水気をふき取る。
ゴシゴシこすると色が落ちたり、ひどい染みになったりするので軽くポンポンと拭くのが良いです。
②水滴状に雨が掛かって水玉模様になってしまったら・・・?
思い切って、濡らしたタオルで全体を拭いて、水滴を馴染ませてしまいます。
荒技的ですが、意外と効果あり。
③大雨が降ってきてずぶ濡れになったら・・・?
表面の水分を乾いたタオルでふき取ってあげて、
バッグなら中に吸水性の良い紙や新聞をつめて、型崩れしないように
お財布なら形を整えて、日陰でゆっくりと乾かしてあげるのが良いです。
水に濡れた時に革にとって一番いけないのが、
天日干しやドライヤーで急速に乾かしてしまうことです。
そうしてしまうと染みだけでなく、濡れた部分の脂分が抜けて硬くなってしまいます。
一度カチカチになってしまうと元に戻らないので要注意。
濡れた時は日陰で自然乾燥がベストです。
あと、水に濡れた時は、衣服に色が移りやすいので、こちらも要注意です。
2年使用のボストンバッグM。なかなかハードに使ってます。
乾かした後は、やはり少し硬くなっているので
クリームなどで脂分を補給してあげましょう。
アンサでは、無色透明のツヤなしデリケートクリームを塗っています。
全体にまんべんなく薄く均一に塗るときれいな仕上がりになります。
しなやかさも戻ります。
ワイルドな男性が、2年半ワイルドに使用したボストンバッグ。
もはやシミやキズが味になっています。(お手入れ無し)
雨への予防策として防水スプレーも効果的です。
種類によっては合わないものもございますので、
ご使用の際は目立たないところで一度お試し下さい。
革製品の大敵とされる水ですが、
素材としての革のほとんどは、なめしと呼ばれる製造工程の中で、
なめし剤をいれた水に漬けたり、水で洗ったり、、と
大量の水を使う工程がたくさん存在します。
革にとって「水」とは切っても切れない、大切な存在なのです。
タンナーと呼ばれる革工場が川沿いにあるのはそのためだと思います。
ちなみに、タンナーが利用する地域の水質によって、
柔らかい革ができたり、硬い革ができたり、それぞれ特徴がでるらしいです。
それもまた興味深いお話ですね。
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